仕事や住居を失った?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090104-00000054-mai-soci

 仕事や住居を失った派遣労働者らを支援するため東京・日比谷公園に開設された「年越し派遣村」の実行委員会は4日、入村者の宿泊場所にしてきた厚生労働省講堂の使用期限が切れる5日以降の対応について同省と折衝した。同省は、廃校になった中央区の小学校体育館など都内4施設の利用を提示、実行委も同意した。期限は当面12日までで、食事も都などが手配する。この結果、入村者がただちに行き場を失う事態は避けられる見通しとなった。

アタシが子供の頃から地下鉄の駅の通路で寝ている浮浪者はいました。子供心に、なぜ仕事をしないで乞食になったんだろうという疑問がありました。

日比谷公園に集まった人たちの写真にあるのは、子供の頃に見た浮浪者の集団であり、路頭に迷うことになった経緯はマスコミが騒ぐように「派遣社員を首になった」という比較的新しい形で路上生活者になったというようには見えません。

避難所となった場所では「禁煙だから喫煙を遠慮してください」という注意書きがあるというようなことをネットの記事でみましたが、路上で生活する人がなぜ煙草を買うお金があるのでしょうか。

浮浪者になる経緯は人それぞれでしょうが、日比谷の派遣村と呼ばれる所に集まった人が必ずしも派遣社員を首になり路上生活者となったというわけでもなさそうです。

アタシも貧乏な生活をしていたことがありますが、如何にお金を使わないで生計をたてるのかに知恵を絞り、何かの時の為に備えて貯蓄をしていました。

この貯蓄は、その後実際に「何か」があり役に立ちましたが、収入と出費を一円単位で記録して、身分相応な生活を営んでいるのかを分析し気をつけ貯蓄していなかったら、大変なことなっていたでしょう。

こういう貧しい生活をしていたのは20代の頃ですが、遊びに行ったりお酒を飲むとお金がかかるので、家で本を読むなり勉強するなりというようなお金がかからないだけではなく、将来に備えて努力をしたものです。

仕事がなくなってから路上生活者になるまで、どの位の期間があったのかはわかりませんが、「派遣村」には無料でお世話になっても煙草を買うお金はあり、「もっと早く開放すれば良かったのに」と感謝すべき対象に文句をいうような自称元派遣社員の路上生活者に対して同情する気にはなりません。

 また実行委は5日、雇用不安の解消を求めるデモ行進を国会周辺で行う予定。実行委の関根秀一郎・派遣ユニオン書記長は「今後も国の雇用政策のミスによる人災だということを強く訴えていく」と話した。

浮浪者が増えたのを「国の雇用政策のミス」と問題を単純化することに対しても疑問があります。昔から浮浪者はいたのですから、今になって街にいる浮浪者が派遣先に首を切られて、いきなり浮浪者になったということはあり得ません。

目に見える形で問題が出てから、目先の対策を打ち出したからといって、問題の本質は変わらないのではないでしょか。

今回「派遣村」に集まった人が路上生活者になった経緯について分析し、派遣切りの煽りで収入が途絶えた期間及び再就職ができなかった理由なども調べないことには、いつの時代にもいる浮浪者と派遣切りで路上生活者となった人との区別がつかないし、路上生活者にならざるを得なかった理由への対策を立てる事ができないと思います。